岡本義則「民主的なソブリンAIのためのデータ保護制度」,社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2026)JSSST-4. 日本ソフトウェア科学会 (2026)
本研究は、民主的なソブリンAIのためのデータ保護制度についての研究です。
本研究は、「ソブリンAI」(Sovereign AI)という用語は様々な文脈で用いられており、明確な定義が確立しているわけではないことを指摘しています。そして、データの問題に焦点を当てて「ソブリンAI」について検討し、「ソブリンAI」とは「国家や企業が自国のデータ等に基づいて開発するAI」であると定義しています。
本研究は、「ソブリンAI」のソブリン(主権)の意味について検討し、日本国憲法の国民主権の観点から、国民主権に基づく「ソブリンAI」という視点を提案しています。
また、日本国憲法の国民主権、人権保障の観点からは、民主的な「ソブリンAI」のデータについては、民主的な基礎が必要となりうることを指摘し、民主的な「ソブリンAI」を実現するためのデータ保護制度の検討をしています。
そして、民主的な「ソブリンAI」の開発は、単に技術的な問題ではなく、データ保護制度の運用自体がAI開発の一部であるという新しい考え方を提案しています。
そして、現行のデータ保護法制は、「民主的ソブリンAI」の実現を念頭に置いたものではないことを指摘し、国民主権と人権保障に基づく真に民主的な「ソブリンAI」を実現する新しい制度設計について考察しています。
本研究は、民主的ソブリンAIを実現するデータ保護制度の3つの基本原則として、①国民による「ソブリンAI」の権利の保有、②「ソブリンAI」への市民の意見の反映、③「ソブリンAI」における少数者の人権保障を提案しています。
本研究は、上記の要件を満たす制度として、データインカムの制度を発展させた「ソブリン・データインカム」の制度を提案し、「ソブリン・データインカム」の制度に基づいて、「民主的ソブリンAI」を実現する制度設計について検討しています。
さらに、本研究は、「民主的ソブリンAI」を、国民一人一人がローカル環境で保有する「民主的ローカルソブリンAI」の概念を提案しています。そして、日本国憲法の国民主権、人権保障の理念に基づき、国民一人一人が「民主的ローカルソブリンAI」を保有するという究極の国民主権に基づく「ソブリンAI」を検討しています。
また、「ローカルソブリンAI」の概念に基づく電力消費量の削減と環境にやさしいAI社会について考察しています。
【興味のある方に】
本研究は、日本ソフトウェア科学会において、社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2026)の研究発表資料として、インターネット上において公開されています。
岡本義則「民主的なソブリンAIのためのデータ保護制度」,社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT2026)JSSST-4. 日本ソフトウェア科学会 (2026)

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