【研究紹介】法律を守る人工知能のアラインメントと人権(AI権)

【研究紹介】法律を守る人工知能のアラインメントと人権(AI権)

人工知能学会第二種研究会資料 2023(AGI-025) 03 2023年11月5日

本研究は、技術的・法的な観点を融合した、人工知能と法律の境界領域の研究です。

本研究では、法律を守る人工知能のアーキテクチャを検討し、「コンプライアンスアーキテクチャ」と「スーパークリーンアーキテクチャ」という2つのアーキテクチャを提案しています。

通常の製品は、企業のコンプライアンス部門のチェックを経ますが、高度なAIの時代には、上記のAIのアーキテクチャが有用であることを提唱しています。

また、本研究では、「コンプライアンスAI」、「上品なAI」、「データのスーパークリーニング」という3つの概念を、2つのアーキテクチャとの関係で提案しています。

本研究では、2つのアーキテクチャの例として、著作権法を守る画像生成AIの例を示しています。

生成AIと著作権の問題は、一般的には著作権の問題と捉えられています。しかし、本研究では、これをAIアライメントの問題として再構成し、著作権法を守る人工知能のアーキテクチャを検討しています。

また、本研究は、人工知能が法律違反をするように悪用された場合、人工知能の開発者と人工知能の人権を守ることを検討し、技術と法律の境界領域の解決を提案しています。

本研究は、法律を守る人工知能の実現のために、データインカム(DI)の制度など、法律的な判断に必要なデータを大量に集積する制度の重要性を指摘しています。そして、他人の著作物、個人情報等が入っていないクリーンなデータを大量に集めることにより、法律を守る人工知能を実現することを提案しています。

【興味のある方に】

本研究は、人工知能学会第二種研究会資料として、インターネット上において、公開されています。

岡本義則「法律を守る人工知能のアラインメントと人権(AI権)」,第25回汎用人工知能研究会, No. SIG-AGI-025-03. JSAI (2023)

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