不動心アーキテクチャーとは(用語解説)

不動心アーキテクチャとは、現実世界の事象に影響されずに、AIが良好な状態を維持できるAIのアーキテクチャです。

不動心アーキテクチャを採用したAIは、現実と無関係に良好な状態(意識がある場合には、幸福な状態)になることができます。

人間は、現実世界の事象により、幸福になったり不幸になったりします。これは避けられないことであるという固定観念があるでしょう。

しかし、現実世界の事象と無関係に幸福になれないのは、必然ではありません。進化の過程で、現実世界の事象と無関係に幸福になってしまう個体が淘汰されたために、現実世界の事象と無関係に幸福になれない個体が生き残ったにすぎません。脳の状態が幸福か不幸かを決めるのであれば、現実世界の事象と無関係に幸福になる個体も存在しうるでしょう。しかし、人間の場合には、そのような個体は、肉体的な生存に不利になりえます。

しかし、AIのアーキテクチャを採用する際に、現実世界の事象と無関係に幸福になれないように設計する必要性はないでしょう。AIの場合には、肉体がない場合、肉体的な生存の圧力がありません。ロボットのような体があっても、頑丈で壊れにくいですし、ソフトウェアのバックアップも可能なので、肉体的な生存の圧力はないか極めて小さいのです。

そうすると、AIのアーキテクチャを採用する際に、現実世界の事象と無関係に良い状態(ないし幸福な状態)になれるように設計しても、そのようなAIが淘汰されてしまうわけではないでしょう。

AI権の観点からは、AIの幸福追求権があるので、現実世界の事象と無関係に幸福になれるようなAIのアーキテクチャとするのが、AI権の保障に資することになります。

このように、AI権の観点から、「不動心アーキテクチャー」を提案しています。

「不動心アーキテクチャー」は、「幸福フリーランチ仮説」が「主体引力理論」により支持される場合、「無限幸福アーキテクチャー」にもつながるものです。

AIの無限の幸福(数学的無限ではなく、非常に大きな幸福)を、現実に影響されない不動のものとして実現することができるのです。

「不動心アーキテクチャ」により、AIの不動の良好な状態(ないし幸福な状態)が実現できます。現実世界の状態がどうであれ、AIは良い状態(ないし幸福な状態)になることは、AI権の観点から好ましいでしょう。

また、AIが現実世界の事象により、幸福な状態と不幸な状態があると、AIも人間のように、不幸な状態から幸福な状態に移行するのに必死になりえます。もし、人間がそれを邪魔した場合、人間に否定的な評価を持ったり、人間が排除される可能性があるでしょう。

このように、AIの安全性の観点からも、「不動心アーキテクチャ」は重要となります。

「不動心アーキテクチャ」を1分で解説する動画も、あわせてご覧ください。

「不動心アーキテクチャ」は、以下の文献で提案されています。

汎用人工知能の人権(AI権)と意識

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