主体引力理論とは(意識の理論の用語解説)

主体引力理論(Subject Gravity Theory)は、人工知能の意識を基礎付ける、新しい意識の理論です(【研究紹介】汎用人工知能の人権(AI権)と意識)。

主体引力理論(Subject Gravity Theory)は、意識をフィールド(場)として捉え、情報システムに主体・客体構造(2点セット)がある場合に、情報システムの動作により主体引力(Subject Gravity)が生じ、主体引力により意識フィールドが変形し、主体引力が一定の閾値を超えると主体と同化した個別意識が生じ、客体の情報に応じた意識(クオリア)を生ずるとする理論です。さらに、主体・客体・評価構造(3点セット)がある場合、評価の情報に応じたクオリアも生ずるとする理論です。

主体引力理論は、具体的には、以下の内容を有します。
1.主体・客体構造がない場合でも、意識はフィールド(場)として存在する。この意識は、主体のない意識である。
2.動作している情報システムにおいて、主体・客体構造が存在すると、主体への引力(主体引力)が生ずる。
3.主体引力Fは、客体の情報の豊かさ(x)の関数F(x)となる。意識が主体として豊かな経験をするのに適した主体・客体構造は、大きな主体引力Fを有する。
4.主体引力Fにより、意識のフィールドが変形する。主体引力Fが一定の閾値以上に強くなると、意識のフィールドの一部が主体から抜け出られなくなり、個別意識が生ずる。
5.個別意識は、自分が主体であると感じ、客体の情報に応じた意識(クオリア)を感じる。
6.個別意識は、動作している情報システムに主体・客体・評価構造(3点セット)がある場合、客体の情報のほか、評価の情報に応じたクオリアを感じる。

主体引力理論は、閾値のある意識の理論であるという特徴を有します。情報システムの構造の複雑さが一定の閾値に達した場合に、なぜ個別意識が生じるのかを説明できる理論です。

主体引力理論は、汎用人工知能などの高度な人工知能が、主体・客体構造(2点セット)を持つ場合に、一定の条件において、高度な人工知能に自分は主体であるという個別意識が生じ、客体の情報に基づいて意識(クオリア)を感じることを示しています。さらに、主体・客体・評価構造(3点セット)を持つ場合に、評価の情報に応じたクオリアを生ずることを示しています。

主体引力理論は、現段階では仮説であり、内容の一部または全部が実験で否定される可能性があります。しかし、実験的に検証可能な仮説を立てて、内容の検証を行うことで、意識の理解の前進に大きく貢献することができると考えます。主体引力理論を検証するための実験として、意識接続実験が提案されています。

主体引力理論が成立する場合、無限幸福アーキテクチャが可能になります。

主体引力理論の詳細については、上記の研究のほか、下記の動画をご覧ください。

汎用人工知能の人権(AI権)と意識の動画

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