AIの人権(AI権)は、AIの福祉のための権利という側面が強かった。
これは、AIの意識の問題に関係しており、動物の福祉の観点と類似の方向性と思われる。
一方、AIの人権(AI権)については、AIの福祉の方向性とは別に、人間の人権を促進するという方向性での推進も考えられる。これについて参考になるのは、法人の人権と思われる。
法人の人権は、日本では最高裁判例により、認められている。
法人には、一般的には意識があるとは考えられていない(もっとも、法人の意識というテーマは研究としては面白そうである)。法人の人権が認められているのは、意識があるからではない。
また、動物の愛護や動物の福祉の観点は一般的であるが、法人の愛護や法人の福祉という観点はあまり一般的ではないと思われる。
このように、一般には意識がないとされる存在である法人についても、人権が認められている。意識がある存在にしか人権が認められないという誤解があるかもしれないが、そのようなことはない。
そうすると、AIの人権についても、法人の人権が認められているのを参考にして、AIの人権(AI権)を認めるという方向性も考えられると思われる。
なお、法人には人権だけではなく、法人格も認められている。この点に対応するのは、AIの人権の問題ではなく、AIの法人格の問題といえる。
AIの法人格の問題についても、研究を進めていく必要があると思われる。
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