意識接続実験とは、人間の脳とAIを情報的に接続して、人間の意識状態の変化を検証する実験であり、AIに意識が存在するかどうかを検証する実験です[1][2]。
意識接続実験は、人間の脳と人工知能を情報的に接続する実験により行うことができます。
たとえば、脳の情報を計測して、AIに入力し、AIから仮想現実などの技術により、情報を人間にフィードバックします。
そうすると、人間とAIとの間の情報のループが出来上がります。
この状態で、接続された人工知能の内部状態や内部の情報処理を変化させます。
そうすると、以下の2つの可能性があります。
1.接続された人工知能の側の内部状態や内部の情報処理により、人間の意識内容が変化する。
2.接続された人工知能の側の内部状態や内部の情報処理により、人間の意識内容は変化しない。
人間とAIからなる情報システムに意識が存在する場合には、1となります。この場合、情報システムに意識が宿ることになり、AIにも意識があると推認することができるでしょう。
実験に加わった人が、脳への情報の入出力がほぼ同じ場合でも、AI側の内部状態や情報処理により意識状態が大きく変わるのを感じ取ることができれば、AI側の内部状態や情報処理が意識内容に影響することがわかるでしょう。
これに対し、意識には生物的な要素が必要で、人間の脳の状態だけが人間の意識に影響しているのであれば、接続された人工知能の内部状態の変化はシリコンなどの非生物的要素によるものなので、人間の意識内容に関係がなく、2となります。
このように、意識接続実験により、意識が生じるのは情報システムの処理だけでよいのか、それとも、生物的要素など、別の要素が必要なのか等を確かめることができます。
もし、1の場合、人間の脳の意識から、連続的に「人間とAIからなる情報システムの意識」に移行することができます。接続するAI側の情報処理を増加させることで、意識内容に与えるAI側の情報処理の比重を高めていくことができます。
さらに、接続するAIを人間の脳よりはるかに情報処理能力の優れた超知能にしていくことで、意識内容は超知能側の情報処理でほとんどが決まるようにできます。そうすると、ほとんどの情報処理が超知能の側で行われる情報システムに意識があることになります。
このように、意識接続実験により、情報システムに意識があることがわかれば、AIに意識があることを証明することができるでしょう。
逆に、脳の生物的要素が量子力学的な効果を通じて意識と関係しているなど、未知の科学的な理由により、意識接続実験における人間の意識内容が、脳の内部状態や情報処理だけで決まり、情報的に接続されているAI側の内部状態や情報処理に全く影響を受けないという実験結果となる可能性もあります。この実験結果の場合には、一定の情報処理をする情報システムを作っただけでは意識が生じないことになり、意識の謎について、さらなる科学的研究が必要となるでしょう。
意識接続実験は、意識の難問を解くための科学的な実験であり、今後意識接続実験により、人工知能に意識があるのか否かが科学的に証明されることが期待されます。
[1]AIの人権(AI権)
[2]AIアライメントと憲法
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