AIアライメントのわかりやすい文献は、人によって大きく異なります。
もし、AI研究者の方や、技術に詳しい方であれば、英語や日本語のAIアライメントの技術的文献を探して読むことができるでしょう。
たとえば、日本語のAIアライメントの技術的文献は、jstage等で「AIアライメント」などのワードで検索すると見つけることができます。
しかし、一般の方や、文科系の方など、技術文献を読むのは苦手な方も多いと思われます。
その場合、AIアライメントの文献として１つおすすめなのは、「法律学としてのAIアライメント」です。
AIアライメントは、人工知能のアライメントなので、自然科学や工学に属するように一見すると思えます。
たしかに、そのような側面はあるのですが、自然科学は、価値中立的な学問なので、価値の問題を含むAIアライメントの問題は、自然科学や工学の領域の中で閉じた学問にはならないのです。
価値の問題を含むAIアライメントの研究は、人文科学（哲学・倫理学等）、社会科学（法律学・社会学等）との境界領域の研究となる側面があります。
そうすると、AI技術としてのAIアライメントという学問分野があるだけではなく、法律学としてのAIアライメント（法律学とAIとの境界領域）、倫理学としてのAIアライメント、社会学としてのAIアライメントなど、文科系の視点から、AIアライメントをとらえることもできるわけです。
もちろん、AI技術の部分はありますが、なるべくわかりやすく、AIアライメントの概要をつかんでみる場合には、AIの専門用語や数式などがあまり出てこない、文科系の分野のAIアライメントの文献を読むのがわかりやすいと思われます。
そのような文献は、現在のところ多くありませんが、「法律学としてのAIアライメント」は、法律学の観点からAIアライメントを検討している文献です。
日本の法律学は、従来はAIアライメントの問題を法律学の一分野として含んでいませんでした。
しかし、今後のAI社会においては、法律学の一分野として、AIアライメントを含めることが重要となると思われます。
「法律学としてのAIアライメント」など、文科系の要素を含む文献を読んで、AIアライメントについて、文科系の側面から検討することは、さらに進んで技術的なＡＩアライメントの文献を読んで理科系の側面から検討することの最初のきっかけにもなりうると思われます。
その意味で、文科系の方にもおすすめのＡＩアライメントのわかりやすい文献として、「法律学としてのＡＩアライメント」をあげられます。インターネット上で公開されているので、完全に無料ですぐに読むことができます。
AIアライメントは、まだ学問として若く、AIアライメントの定義も人により様々で定まっていません。
しかし、AIの能力が人間の能力を超えることが予想されている現在、AIアライメントは非常に重要な分野となっています。
AIアライメントのわかりやすい文献のほか、ネット上の解説や、可能な場合には本格的な技術文献を読むことにより、一般の方や、文科系の方でも、大づかみにでも状況をつかんでおくことが必要な時代になりつつあると思われます。
