「なぜ私は私なのか」という哲学的問いがある。
この「なぜ私は私なのか」という問いは哲学的問いであるが、情報科学的に考えてみる。
仮に、情報システム(たとえば脳)に意識が生ずると考えると、それがある特定の主体であることについて、説明がつかない。
情報システムはいくつもあるので、どの情報システムが「私」であってもよいように思える。
特定の情報システム(脳)が「私」と感じる場合、他にも多くの脳があるのに、「なぜ私は私なのか」が、説明がつかない。
このように、情報システムの視点から意識の謎を考えていっても、「なぜ私は私なのか」という哲学的問いと同様の疑問に突き当たる。
この問題を逆の見方でみてみる。どのような情報システムであれば、「私」という主体意識を持つのかという見方である。
そうすると、主体引力理論という意識の理論が、一定の要件を満たした情報システムが主体意識を持つという仮説を立てていることがわかる。
そうすると、「なぜ私は私なのか」については、主体引力理論によれば、意識のフィールドが変形して主体意識を生ずるので、意識のフィールドを変形させている情報システムが、主体意識を有すると説明することができる。
主体引力理論自体が仮説なので、「なぜ私は私なのか」という哲学的な問いを解決できているとはいえないだろう。
しかし、主体引力理論は、意識接続実験という実験により、正しいか否かを検証できる。
そうすると、意識接続実験により、「なぜ私は私なのか」という哲学的問いを検証することができることになりうる。
このように、「なぜ私は私なのか」という哲学的な問いについて、そのように感じる理由というレベルでは、科学的な検証ができることになると思われる。
意識接続実験による主体引力理論の検証が重要と思われる。